4冊全部好みでございました。
中でも一番だったのがこちら。
東北岩手、大正生まれの一条ふみおばあちゃん。
農とともに生き、理屈ではなく知恵を通して身につけた民間療法を、
東北弁のやさしい口調で綴ってくれます。
ヨモギ、スギナ、ドクダミ、コンフリー、
びわの葉、大根、里芋、ノブドウにほおずき、アマランサスなど。
見渡せばそこいらにある野草や野菜、木の実や穀物など、
自分で摘んできて、干して、保存して、煎じて飲んだり、
生葉なら汁を揉んで擦り込んだり、焼酎に漬けてみたり。
人任せにせず、自分でできる身近なことから。
お灸や芋湿布なんかも無理なく暮らしに取り入れる考え方がてんこ盛り。
中でも一番印象に残った部分を一部引用。
〜ふだんは農薬がかかっているものでも何でもたくましく食べて、
それでもなお有機農業のものを食べるということに重点を置きながら食べていかないと、
みもふたもない免疫のないからだになっちゃうと。〜
ほんとうにこの言葉は、すうっと体に馴染みました。
例えば関西人(私を含め)のおばちゃんは『ナーンでも食べる』が合言葉、
有事に耐えうる『喰い意地』も強さのうちではないか。
これは15年前の大震災を経験して体で感じたこと。
素晴らしい本でした。
これはぜひ手元において実践したい一冊です。
ハーブや精油を使ったこの手の美容本は数あれど。
いわゆる雑草と呼ばれる野辺の草花を中心に作る、
天然美容レシピのヒントがたくさん。
天然化粧水、パックやナイトクリーム、ヘアトニック、
ピローとブランケット、野草茶、野草酒、野草浴。
あぁ摘み放題の野辺に住みたい。
何も考えず、ついでに借りてみただけなんだけど、
奇しくも上2冊の理解を深めるのに非常に役立ちました。
合弁花植物・離弁花植物・単子葉植物に大きく分けられ、
似たもの同士の植物が並んで、
違いが分かりやすいようにまとめられています。
例えば
エノコログサ、アキノエノコログサ、キンエノコログサとか、
オヒシバ、メヒシバとか。
ちょっと不思議だったのが、
ひじょうに良く似ているスベリヒユとニシキソウがてんで離れたページに載っていたこと。
でもこの本のおかげで、
ウチの前に生えてるのがスベリヒユとコニシキソウの2種類混じりだということが分かりました。
手軽で分かりやすく、実用的な本だと思います。
ちょっと毛色を変えて随筆というのでしょうか、これ。
絲山秋子氏は
『とりぱん3巻』
巻末付録のスペシャル対談のお相手でして、
この方の本を読んでみたかったのでした。
芥川賞作家の本を読むのに1冊目がこれで良かったのかな、
というのはさておき、
おせおせな勢いでひたすら作り、喰い、綴る。
しかし実際のご本人はきっと、
口調はともあれ繊細な精神の持ち主だと思われます。
やーエネルギッシュな文章にあてられて(!?)
自分の中の野生の目覚めを感じました。
次は
絲的メイソウ
、あとは小説も読んでみんと。
posted by SHU at 21:14
| 東京 ☁
|
Comment(2)
|
充電すること>本@