
『絵解き江戸しぐさ』に続いて、またまたお江戸ネタです。
図書館の新着本コーナーで発見して即借り。
200ページ強、図版資料、文字ともにぎっしりの内容だったけれど、
これは読んで良かった!
著者は時代考証のプロフェッショナル。
映像作品における食のシーンは演出にリアリティを持たせるのに相当重要な部分で、
若手スタッフへの教科書の意味も込めて書かれたのだそうです。
面白かったのは、
料理は元々男性(家来)の仕事で、紋付袴など正装で行っていたということ。
もちろん庶民の食事は女性が用意したけれどごくごく簡素なもので、
料理とはみなされていなかった(!!)ということ。
“江戸っ子の初物喰い”も面白かったな。
季節季節の初物を尊んで食べる江戸っ子、
生産者側も早いほど高く売れると我れ勝ちに促成栽培の技術を競い、
なんと初夏の作物であるはずの茄子が3月にできていたそうな。
さすがに幕府によって規制されることになったらしいですが。
あとは調味料の歴史だとか、
江戸野菜や地産地消、下りもの(くだりもの)と地廻りものの話とか。
甘酒も江戸初期はまだ冬のもので、おろし生姜を添え、
のちに夏のスタミナドリンクとなりすり胡麻を加えて飲まれたとか。(おいしそー)
他にも江戸時代が発祥の色んな料理や、四季折々の味覚、
料理屋、屋台、棒手持ち、仕出し屋のこと、
将軍はほんとに一番美味しい食事を食べていたのか、とか。
カバー折り返し部分に江戸時代の和暦・西暦対照表が付いているのが便利でした。
それにしても江戸時代265年のうちに年号が36もあって、そのほとんどがヒト桁で切り替わっている。
逆に聞き覚えのある年号は、
寛永(21年)、元禄(17年)、享保(21年)、文化・文政(15年・13年)、天保(15年)など、
長かったりする。
ちなみにこの本でもたびたび取り上げられていた、
江戸庶民風俗のバイブルと言えばこちらだそうです↓
喜田川守貞著・守貞謾稿(もりさだまんこう)。
なんせ江戸時代の書物です。(もちろんこれは活字だと思いますが。)
大阪出身の守貞が江戸に出てきて書き留めた、江戸時代版東西比較本。
図版が豊富で客観的に江戸庶民の風俗を捉えることができるそうです。
文庫版で1〜5巻まで。
江戸しぐさ、江戸グルメ、と借りて『一体ナンになりたいの?』とハカセに聞かれた・・・
posted by SHU at 23:05
| 東京 ☀
|
Comment(0)
|
充電すること>本A